初めに
当院透析室は歴史も長く、人工透析黎明期より今日まで、長年に亘り地域透析医療の中核を担ってきました。
伝統や歴史に囚われ過ぎることなく、ガイドラインを基準とした最新の技術をもって透析治療にあたるのは当然のことであるという観点から、当院では経験という貴重なデータを基に、新しい技法、新しい理論を加えた形での透析医療を行っています。
ベットサイドでは、知識・経験豊富な看護士が皆様の自己管理のお手伝いをし、透析以外にも食事・飲水・運動などの自己管理のアドバイスを行っています。そして、
臨床工学技士は透析機器全ての管理を行い※1、皆様が快適に安心して治療を受けられるよう努めています。
ダイアライザーの膜を介し間接的に血液に触れる透析液に関しても、発熱、敗血症やショック、更にはDIC(播種性血管内凝固症侯群)の誘因の一つであると考えられている有害物質エンドトキシンを取り除くフィルターを全患者監視装置に装着して、安全性を高めています。
また、当院は東京でも姿を消しつつある下町に立地しているという特長を生かし、事務的ではない温かみのある会話、親身な対応を実践しています。
透析治療は長期になることから、患者さんが途中で透析を投げ出してしまう状況が生じてしまうのが現状です。そこで当院では、患者さんとスタッフとのコミュニケーションを第一と位置づけ、皆様が喜んで来院したくなるような、明るくそして笑いのある透析室を目指しています。
私達は、患者さんが年間約600時間を過ごす透析室は、心が安らぐ快適な空間であるべきだと考えているのです。
※1 業務開始前の始業点検、業務終了後の透析液供給装置及び患者監視装置、配管の消毒
定期的な透析液の細菌培養試験、水処理装置(RO装置)の消耗品交換、患者監視装置内部部品性能試験・交換、エンドトキシンカットフィルター交換、等
総合的なサポート体制
透析医療は透析患者のプライマリーケアでもあるべきとの考えから、透析治療のみならず全身のチェックを定期的に行います。
あらゆる事態に対処すべく、シャント修復、合併症予防治療、社会復帰までトータルに透析生活をバックアップします。透析導入期や合併症をお持ちの重症な方は、入院による透析管理が可能です。
緊急時には高度医療機関と密接な連携をとり、的確、迅速に対応出来る体制も整えております。
また、現在、透析技術の進歩に因る透析患者さんの高齢化、透析期間の長期化に伴い、様々な合併症の管理が重要になりつつあります。透析中の血圧の変動が大きい高齢者、循環器合併症を有する方には、積極的に血液濾過透析(HDF)を取り入れています。
インフォームドコンセントに対する当院の考え方
インフォームドコンセントに基づく医療の重要度が増している昨今、医療情報を分かり易く開示することも、患者と医師、スタッフが互いに信頼し合うことにつながる一つの要素だと考えます。それは、皆様が治療に臨む際の安心感にもつながります。
例えば、(ご希望の方には)各人検査結果をデータシートにし治療の方針や成果を見える形でお伝えすることで、分かり易い医療を実践しているのも、その一環です。
腎臓病患者さん(特に透析患者さん)に対しては、一般的に、ある程度の食事制限やウエイトコントロールが求められているのが現状ですが、透析を適正且つ十分に(長時間透析、高性能膜使用)行うことで、ある程度制限のない生活が可能になってきているのも現実です。
私達は、明るく希望の持てる透析生活を応援していきたいと考えています。
DW(ドライウエイト)の設定に関して
レントゲン検査で測定する心胸比(CTR)
※2、レントゲン検査での肺うっ血の確認、mean Kr
※3、透析中の血圧、起立性低血圧、循環器の状態(hANP)
※4、口渇、浮腫、等、体全体の状態を考慮した上で決定するのは当然のことですが、当院では“患者さんの意思”も出来る限り尊重し設定を行っています。
インフォームドコンセントに基づく医療を実践するならば、+“患者さんの意思”というものもDWを設定する大きな要素であると考えているからです。
※2 CTR
深吸気時の心臓最大径と胸郭部の比率。
男性では50%以下、女性では55%以下が正常と考えられる。
但し、立位、深吸気ができない人では正確に測定できない。
体内の水分量を示す一つの指標
※3 mean Kr
平均plasma refilling係数
循環血漿量を用いた体内の水分量を示す一つの指標
※4 hANP
ヒト心房性利尿ペプチド(human atrial natriuretic peptide)の略で、心房の伸展刺激(容量負荷)に対して分泌されるホルモン。
透析患者の場合には透析前後で測定すると、透析前>透析後となり、且つ除水量に応じて変化(減少)することが一般である。
体の水分負荷による循環器への影響を示す一つの指標
お食事のご案内
ご希望の方には、当院栄養士による手作りの透析食をご用意いたしております。
尚、1食600円(税込)となります。
ご自身で用意されても構いません。
初めにご用意いただくもの
医療施設からの紹介状、看護要約、透析条件記載のデータが必要となります。
また、各種保険証(保険証、特定疾病療養受療証)の持参をお願いします。
臨時透析・転院
旅行・帰省・出張等での臨時透析も受け付けておりますので、お気軽に当院透析室までご連絡下さい。ご持参いただくもの、事前に必要なものがありますので、ご確認願います。
ご希望日が、満床の際はご希望にそえないこともございますのでご了承願います。
また御事情により、当院に転院希望の方も、同様にご連絡下さい。
送迎
透析通院が困難な患者様や車椅子をご利用の患者様には、治療の一環として介護用送迎車による無料送迎サービスを実施しています。ご相談下さい。
透析室からのお願い
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ご自身の自立の意思が治療・療養の根本にある事を認識し、ご家族・医療スタッフをメンバーとするチーム医療に参加するようお願い致します。 |
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より適切な医療を受けるために、現在の状態や既往歴・入院歴・服薬歴・先天的な特性等、健康に関する情報を速やかに提示するようお願い致します。 |
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他患者の治療や病院職員による医療サービスの提供に支障をきたさぬよう、ご配慮をお願い致します。 |
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入院時は入院証書に必要な情報を記載し、変更があった場合は速やかに報告、連絡するようお願い致します。 |
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午後の透析は21:45(抜針時間)で終了となっていますので、十分な透析をするためになるべく早い入室をお願いします。
尚、土・祝日の午後の透析は14:00より開始いたしますので、早目の入室をお願いします。 |
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病院での非常時の場合は、職員の誘導に従って下さい。 |
施設案内
検査装置
超音波診断装置
心電図測定装置
レントゲン一般撮影室
血液ガズ・電解質測定装置
輸血検査システム(クームス法)
内視鏡装置
その他装置
緊急除細動器
手術室(シャント造設・再造設、経皮的血管形成術)
透析装置
水処理装置(RO装置) TW-900F
A液溶解装置 AHI-JP
B液溶解装置 BHI-JP, BHI-J
多人数用透析液配給装置 TC-B30, TC-B20
多人数用患者監視装置 24台(全台にエンドトキシンカットフィルターを装着)
・TR-3000
・TR-2000M
・TR-2001MV
・TR-7000M(血液濾過透析・血液濾過可能)
アメニティ・他
ベッド数 25台(3F:9台 4F:16台)
TV 外来用全ベッド液晶TV完備
更衣室 外来用個人用ロッカー完備
待合室完備
空調完備
スケールベッド
用語集
PCR(protein catabolic rate)、nPCR (normalized protein catabolic rate)
摂取タンパク質量の指標
mean Kr(plasma refilling coefficient )・PWI(plasma water index)
DW設定の一つの指標
Kt/V
1回の血液透析でどれだけ溶質(毒素)除去がなされたかを表す指標
別名、標準化透析量
CTR
深吸気時の心臓最大径と胸郭部の比率。
男性では50%以下、女性では55%以下が正常と考えられる。
但し、立位、深吸気ができない人では正確に測定できない。
体内の水分量を示す一つの指標
hANP
ヒト心房性利尿ペプタイド(human atrial natriuretic peptide)の略。
心房の伸展刺激(容量負荷)に対して分泌されるホルモンです。
透析患者の場合、透析前後で測定すると、透析前は高く、透析後は低くなり、かつ除水量に応じて変化(減少)することが知られています。従って、体の水分負荷の状態を判定するのに有用と考えられます。
毎月のレントゲン検査で測定する心胸比(CTR)、血液検査で測定するmean Kr、循環器の状態(hanp)も取り入れて的確なDWを設定し、その際には御本人に同意の上で決定していきます。
そして、電解質の除去率、Kt/V、PCR(nPCR)、mean Kr
当院ではカルシウムやリン等の電解質、BUNやクレアチニン等の栄養状態を適時確認しながら食事を管理し、同時に水分の管理なども行っています。
例えば、各人検査結果をデータシートにし、治療の方針や成果を見える形でお配りすることで、分かり易い医療を実践しているのも、その一環です。